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こてつカウンターボレー(?)

暇を持て余した鳳凰堂・虎鉄は、「街の散策」と言い残して寮を出た。

―――モチロン大嘘だった。

 何かと口煩い後輩を撒いて虎鉄が向かったのは、駅前にある漫画喫茶「じゅてーむ」である。姉妹店に「どすこい喫茶」がある、という話を聞いた気もするが、まぁ、それは置いといて。
 店に入った虎鉄は慣れた具合にカードを取り出し、手続きを済ませて窓際の椅子に座った。ちなみに、カードとはこの店の会員カードのことで、持っていると得点がついたりして結構お得なのである。そして、そのカードをしっかりと持っているあたり、彼が頻繁にこの店を利用しているのは明白だった。
 よれよれのコートを椅子に掛け、ドリンクコーナーから水増しされたうっすいオレンジジュースを持ってくれば完璧だ。 
 準備完了――当方に読書の用意あり!
 ぷひー、と鼻から妙な息を吐きつつ、虎鉄は書架の間を歩き回る。
「さーて、今日は何を読みましょうかねぇ……『目盾21』はこの前読みましたし『徐々のビザリー冒険』は読破済みですし……あ、『北斗のナックル』もいいですねぇ」
 ウロウロと目移りしながら歩き回っているうちに、ふと、虎鉄は一冊の漫画を目に留めた。

「これは………『野田恵カンタービレ』?」

――ハテ、なにか、このタイトルには聞き覚えがある気がする。
 しかもごくごく最近。
 頭をひねってみるが、どうにも思い出せない。
「ま、読んでみれば判るでしょ~」
 とりあえず数冊書架から抜き取り、虎鉄は自分の席へと帰っていった。
 数十分後。
「……………」
 『野田恵カンタービレ』全巻を平積みにし、机にかじり付きで漫画に没頭する虎鉄の姿があった。


―――後日、っていうか翌日談。
「師匠、昨夜は何処へ行ってらしたんですか?」
 表情だけは満面の笑顔で尋ねるクルス・リバーウエストに、虎鉄は同じく表情だけは笑顔を浮かべて答える。
「いえ、ちょっとそこまで」
 直立して見下ろす小柄なクルスと正座して見上げる長身の虎鉄の間に、視線が緩やかな橋を架ける。見つめあう二人。
「成る程、『ちょっとそこまで』ですか。では、師匠のコートのポケットからでてきた、この漫画喫茶のものと思わしきレシートの説明はどうします?」
 あくまでも表情には花のような笑顔を浮かべ、ヒラヒラとレシートを揺らしたクルスが尋ねる。ただし、目が笑っていない。
「ヒロッタンデス」
 あくまでも表情には(拳銃をこめかみに突き付けられた囚人のような)笑顔を浮かべ、冷や汗ダラダラで虎鉄は答える。
「へぇー、拾ったんですかぁ……うふふ」
「ソ、ソウナンデスヨ……アハハハハ」
 あくまでもあくまでも笑顔のまま、クルスの右手がゆっくりと上がる。
 あくまでも、ただし多少、いやかなーり引き攣った笑顔のまま、虎鉄は天高く持ち上げられた握り拳を眺める。ああ、ちょうどこの位置ならいい感じの『打ち下ろしの右(チョッピングライト)』になるなー、と。 
「言い遺す事があれば、お聞きしますよ師匠」
 にっこり。
「えーっと……クルス君、人のコートのポケット探ってレシート発見なんて新妻的お約束展開発動させといて、恥ずかしくないんですか?」
 ぎしり。
 コメカミに大きな大きな血管マークを浮かべたクルスは、大きく息を吸うと大音声と共に右手を振り下ろした。

「そんな今どき小学生でもつかんような嘘が通じるかーーーっ! あと誰が誰の嫉妬深いのはあなたが好きだから的新婚幼妻ですかーーーっ!!」
「ちょ、そこまで言ってnぎゃぼーーーーーーーーっ!!」


 拳は、とても綺麗に虎鉄の意識を刈り取った。
 ぎゃふん。 
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よみましたー

のだめカンタービレは良作ですねぇ。
あと、今回の記事の中に出てきたいくつかの漫画名、気づいて頂けたでしょうか。
まぁ、難易度恐ろしく低いので気がついたら笑ってやってください。

「すごいよ!!マサルさん」

「ボス 決して走らず 急いで歩いてきて そして早く僕らを 助けて」
グッジョブッ!

どうも

こちらでは、初めましてですね。
クルスさんは案外、妄想h・・・ごほっごほっ…いえ、何でもありません。

プロフィール

神無月

Author:神無月
神無月(かんなづき)と申します。

主に株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用のブログとしてなんか色々とまったりペースで徒然事が書かれています。
いぇー。

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