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虎鉄の日記:レクイエム・フォー・バレンタイン 前編


 二月十四日――それは特別な日である。
 愛する人に想いを伝える特別な日。
 製菓会社の陰謀もなんのその。
 甘くて苦い恋心を胸に、少年少女は想い人の元へと急ぐ。
 しかし、そんな局地的ロマンチシズムの大流行とは無縁の輩も世の中にはいる訳で。
 二月十四日の深夜、銀誓館学園の屋上には聖バレンタインの恩恵からあぶれた少年少女達が集い、半ば自棄っぱちなんじゃねーかとも思えるほどの乱痴気騒ぎを繰り広げる………
 そんな噂を聞きつけて動かなければ鳳凰堂・虎鉄ではない。
「ふふふのふ、それじゃあちょーいと征きますかぁ!」
 大騒ぎの期待に胸躍らせて、虎鉄は屋上へと足を向けた。
 それが、かつてない惨劇の幕開けとも知らずに……… 


 もう深夜だというのに、屋上には活気が満ちていた。
 二月の夜気は肌を刺すように冷たく、お世辞にも過ごしやすいとはいえない。
 にもかかわらず、そこにいる誰もが楽しそうに、温かい笑顔を浮かべていた。
 と、そこに……
「いいいいいいいいやっはあああああああ!!! 楽しそうなニホイがしーますよぉ!?」
 前触れもなく奇声と共に屋上のドアがぶち開けられた。
 皆の注目が集まる先に立っていたのが誰かなど言うまでもない。
 我らが大馬鹿野郎――鳳凰堂・虎鉄がそこにいた。
 実に空気の読めない男である。
「楽しそうなニホヒは何時でも充満してるぜ?」
 そんな虎鉄に、一人の少年が笑いかけてきた。
 いかにも頼れる兄貴分といった精悍な雰囲気を持つ少年は、灰色の瞳を楽しそうに細めている。
 彼の名は天城・剛一といった。
「おおぅ、話が判る方発見! しかも虎! あなたもタイガーの眷属ですかぁ!?」
 ひゃっほぅ、とはしゃぐ虎鉄。
 どうやら剛一の称号である≪金虎≫に反応したらしい。
「いや!そんな眷属とか言うモンじゃねぇ!俺は俺だ!」
 しかし剛一は突然くわっと目を見開くと、はしゃぐ虎鉄を大音声で喝破した。
「だが、俺も虎を名乗る者。強ち眷属じゃない……とは断言出来ないかもしれないと言う不思議!はっはっは、ならば俺と虎鉄は同じ虎。 仲良くやって行こうぜ?」 
 かと思えば今度は豪放磊落に笑ってみせる。
 案外、彼もこの屋上に満ちる楽しげな空気に当てられているのかも知れない。
 だからそれに応えるように、虎鉄もニヤリと笑ってみせるのだった。
「おっと、これは失礼しましたねぇ。成る程確かに、あなたはあなただ。いや、貴方とは仲良くやってけそうですよ」
「あぁ、お前とはホント仲良くやっていけそうだぜ!よろしくな!?」
「ええ、こちらこそよろしく!」
 堅い握手を交わす二頭のタイガー。
 しかしその時、スデに破滅の足音は彼の後ろに忍び寄ってきていたのだった!
「鉄虎の部屋にようこそ。此処は吹き溜まりだよ」
 そして第一の爆弾が発動した。
 背後でボソリと呟かれた言葉に、虎鉄はすんごい勢いで振り向いた。
 そこに立っていたのは、一目見れば絶対に忘れられない特徴的な外見をした少女だった。
 獅子の鬣の如き髪は一房だけが白く、それと同じくらい白い顔には稲妻のようなタトゥーが走る。痩身を包む制服は紅蓮よりもなお赤く、常に引提げているギターの意味は誰も知らない判らない。
『全身反逆(ロック)』と言わんばかりの彼女こそ、かの楠手馬・鹿菜子その人であった。
「――なっ!!!!!! なんでその名前知ってるんディスカ!?」
「ふっふっふ。人の口に戸は立てられぬのさっ」



 狼狽する虎鉄を挑発するように、鹿菜子はニヤニヤと笑う。
 と、その言葉を裏付けるような声が彼女の後ろからあがった。
「あっ、友好先の鳳凰堂様ですねー。こんばんはですよ~」
 やっほー、と手を振っているのは白い髪の少女だった。
「やや、これはこれは………」
 もう何もかもが楽しくてしかたないとばかりに満面の笑みを浮かべる少女の顔に、虎鉄は見覚えがなかった。
 だが、その外見的特長には心当たりがあった。
 曰く主導権を得る事で神に至る者!
 曰く張られるとちょっとムカツク一行AA!
 そう、彼女の名は――!
「あ、兄者? えっと、まさかあの有名な「流石の人」!?」
「ふふふ~♪ 有名だなんてそんな大げさなー」
 明後日の方向に勘違い突っ走り中な二人は置いといて、彼女こそは白原・源語。
≪流石でもない絶望的駄目兄者≫の称号を持つ少女だった。
「まぁ、なにはともあれよろしくですよ」
「ええ、よろしくですっ♪……数ヶ月前、鳳凰堂様と一緒の依頼に入りたくて予約参加し、最終的に鳳凰堂様を圏外へ落としてしまったわたくしめでよろしければ!」
「なーんと! まぁいいですよ? 誰が行こうが、誰かを助けられるのなら、それは私でなくともいいんですから。むしろ、ありがとうございました」
「いえいえーわたくしめの一方的な考えでしたからー。機会があればまた何処かでお会いするかもしれないのでその時よろしくです~♪」
「ええ、いつか肩を並べて戦えるかもしれませんねぇ~。その時はよろしく……しかし、まさか源語さんが私の事をご存知とはー、驚きでしたねぇ」
 握手を交わしつつ爛漫に笑い合う虎鉄と源語。
 だがそれは、ちょうど二人の真ん中で無視される形になった鹿菜子にとっては面白くない。
 面白くないので、鹿菜子は再び爆弾を投下した。
「はっはっは、「自室で幽霊とゲームをしてたり謎の女装癖を持っていたりするフーテン」といえば、有名じゃないか」
「ぎゃあああああああああああああああ!!!! ナンデシッテル! ナンデー!?」
 だいにのばくだん が はつどうした。
 こてつは ひめいを あげた。
 こうかはばつくんだ。
「ギギギ………身内だけの恥だと信じていた………信じていたのにぃ………!」
 虎鉄、くずおれる。orz 
 鹿菜子、勝ち誇る。m9(´Д`)
 なんとも情けない図であった。 
「落ち着いてください鳳凰堂様! 貴方は今何者かからスタンド攻撃を受けている可能性があります!」
 そこに突然、凛と響く声が夜を裂いた。
 虎鉄が顔を上げると、一人の少女がズバァァァン、とポージングをキメていた。



 夜の闇を束ねて紡ぎあげたかのような黒髪を揺らし、颯爽と宙を指差すその人は……
 どう見ても巫女さんです。
 本当にありがとうございました……ではなく、赤金・茜その人だった。
「クッ………ここでバイツァダストを発動したいと思ったのは私だけで十分デース!」
「では変わりに私の背中を見ないでくださいね」
「げっへっへ、そう言われると余計見たくなりますねぇ………」
「鳳凰堂様、それでは変態のようですよ?」
 もはやツッコミの義務さえ放棄して自棄っぱちにボケるが、虎鉄最後の悪足掻きさえも巫女巫女ナースもといボコボコ巫女もとい茜はあっさりと打ち砕く。
 そしてそれこそが、第三の爆弾の引き金であった。
 誰かが呟いた。
 そういえば虎鉄はどこぞの結社で某鋏の変態の名を名乗っていたな、と。
 呟きは衝撃となってざわ…ざわ……と屋上の雰囲気を一変させた。
「道行く女性に「妹になれ」と声をかけて回っているのか…?」
 by.嘉島・真貴 それ本当にやってます。
「はい勿論。知ってるからこそ振りました」
 by.赤金・茜 あんた鬼ですか。
「赤金、戦闘中に自分のキャラを模索するような変態の言う事を真に受けなさんな」
 by.建上・氷子 これは酷い!
「HENTAIでもいいじゃないですか」
 by.アシュトン・フェイバー 肩叩かれても! てかそれフォローじゃねー!
「ちょい待ち! ちょーっと待って!? このままだと私女装趣味で鋏振り回す妹勧誘病持ちの変態ですよ!? それって酷くない!? お兄ちゃん泣いちゃいますよーーーー!?」
「どうぞ!」「だから?」
 即答する茜と氷子。
 情け容赦無しってレベルじゃねーぞ!
「うがあああああああああああ!! いい加減にしないと私変身しますよ!? 怒りのあまり第二形態とかに! 戦闘力5万とか軽く超えますよー!?」
 虎鉄、ついにキレる。
 しかし現実は冷酷だった。
「……すいません。お怒りとは別に「うわあ、それ見たい!是非みたい!!これは怒らせなきゃ」とか思った私が居ます。本気で」
 by.赤金・茜  外道、マジ外道。
「変身するんですかっ!!!!??」
 by.鬼庭・律 え、なんでそこで目をキラキラと輝かせますか!?
「………」
 by.十・煌馬 そんな猫変身のまま期待に満ちた目で見られても!
「それは見てみたいわね」
 by.建上・氷子 いや、そろそろ誰かツッコミ入れて!?
「ムキムキマッチョになるのかな?」
「いや、きっと角が生えてくるんだぜ?」
 by.影護・刀真&天城・剛一 そこ! 冷静に予想立てないで!

――そして、虎鉄は本当にキレた。

「あぁー、いいですいいでしょう! そこまで言うなら変身してやりますよぉぉっ! ただしどうなっても責任もたないですからねー!! 止めれるものなら 止 め て み ろぉぉぉ!」
 咆哮と共に、虎鉄の戦闘力が数十倍に膨れ上がり――
「了解しました。では龍顎拳12発+爆水掌1発で」
 コキン、と時間が止まった。
 今度こそ間違いなく『世界』のスタンド攻撃を受けたかのように、虎鉄は凍りついた。
 そのまま数秒、そして時は動き出す。
 固まっていた視線をゆっくりと下におろすと、そこには………
「げげえええええええええ! か、関羽………じゃなかったアーバインさん!!」 
 朝焼けの光を思わせる金色の髪。
 特級の紅茶のように透き通った赤茶色の瞳。
 幼くして≪暁の兵士≫の称号を冠する、その少年の名はアーバイン。
 アーバイン・シュッツバルトがそこにいた。
 そして……どうなったのかは推して知るべし。
「君がッ!泣くまで!殴るのをやめない!」



「ぎにゃああああああああああああああああああああ!!!!」
 ドッバァ――z__ン! 
 
《鳳凰堂・虎鉄 スタンド名:ネタレンデル 再起不能(リアイア)》

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遅くなりましたー

バレンタイン乱痴気騒ぎ~前編~ようやく更新です。
チャット化していた屋上のログを切り貼りして並び替えたり、間が繋がるように地の分を考えたりと苦労が多かったです。 orz
ちなみに、一番苦労したのは三枚目の絵の鳥山絵。
トレス台を所持していないので完全に見ながら描いてました。
かなり似せられたと思いますがいかがでしょうか?
では、次は後編でお会いしましょう。

スペシャルなサンクス!
・出演していただいた皆様

ドラゴンなジョジョですよぉぉぉぉお!!?(意味不明

いやはやwまさかバレンタインにそんな事をしていたとは・・・w
参加してればよかったですね~w
写真も写真で面白かったですww
そして関羽という名に反応してしまった自分w
三国志大好きです~w

・・・・・・。
やべぇ、なんかかんどうした。(ほろり)

・・・あのな、トレス台がないときは、
ダンボール箱の中に上向かせた電気スタンド入れて蓋代わりに
透明な板(目に痛かったら半透明なヤツもしくは大きめの紙で光量の調整して)
乗せると似非トレス台が出来るぞ。
あとな、腰と腕が疲れるけど日中に窓と太陽光を使っての天然のトレス台を使っても結構いけるぞ。
知ってるかも知れないけど。

・・・とにかくなんかすげー感動したので・・・つい饒舌に。
虎鉄の絵とか文とかとても好きだから結構見に来てるからな・・・。
・・・なんか色々がんばれよ・・・。(ぐぐっ/応援)
長文失礼した・・・。

素敵です!としか言いようがないくらい素晴らしいです。
こっそりと、後編も楽しみにしています(笑)

実に面白い。
文とか秀逸で読んでる内に引き込まれてっちゃいますぞ!
そしてアクセントに置いてあるあの絵!
情景描写でその光景が頭に浮かんでくるってモンですわ!

後編も期待しつつこの辺で戦術的撤退ィィ!

後編にも大期待

はじめてですよ…このわたしをここまでネタにしたおバカさん(褒め言葉)は…
まさかこんな結果になろうとはおもいませんでした…

これは面白かった…
このネタ絵は、面白かったぞ━━━━━━━━━━━━━━━っ!!!!


ヤバい。ヤバいです、これは。
ネタ絵の素敵さもさる事ながら、
>常に引提げているギターの意味は誰も知らない判らない。
本当にカナ子と言うキャラを良く見てくだすっている…!!

鳳凰堂・虎鉄(と中の人)!!
アンタらの命がけのネタ後悔ッ!ぼくは敬意を表するッ!!


と言うわけで、リンクを繋いでも構いませんね!
いえ、繋げさせて下さい。お願いします。

流石っ!

流石、鳳凰堂虎鉄!
自ら死亡フラグを立てに行くなんてっ!

そして、参加者の皆さんも結構ノリノリで良いキャラしてるなぁw
コレは後編が楽しみだ、ポテチ片手に後編が出るのを待ってるぞ~!
プロフィール

神無月

Author:神無月
神無月(かんなづき)と申します。

主に株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用のブログとしてなんか色々とまったりペースで徒然事が書かれています。
いぇー。

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